

これは東京都荒川区南千住汐入地区のレクイエム。
1995年。同地区を一年間カメラ片手に隈なく歩き撮影した。
当時はバブル経済が崩壊し、土地神話も今は昔となるなか、
高層マンションが競うかのごとく乱立していた頃だった。
同地区も例外に漏れず、先祖代代から所有していた土地を次々に売却し、郊外へ転出する世帯が増えていた。
土地売買収の行われていた過渡期の時代。
町は葉っぱが虫に食われたかのごとく、住宅地に更地が所々と点在していた。
一方で周辺に目を移すと、高層マンションがヒタヒタと迫っている。
撮影の間、一人の老女の言葉が今でも耳に残る。
「昔、ここは銀座だった」
撮影から10年。現在「町」はどうなっているだろう。
きっと「町」は崩壊しているに違いない・・・
撮影データ
カメラ:キヤノン EOS1、A−1
レンズ:EF24mm、FD35−70mm
フィルム:富士フイルム ネオパンプレスト400
(モノクロフィルム)
現像:手現像 ノートリミング
印画紙:バラ板紙